2021年5月15日
14歳の君へ
マーチャン
 待ちに待って生まれてきた君が3歳の時、飛行機や電車が大好きだったので、2人でしっかりと手をつないで飛行場へのバスに飛び乗ったよね。電車で抱かれたまま眠ってしまい、仕方なく終点まで行き折り返してきたことも覚えているかな?春には弟の誕生を楽しみにしているお母さんと花見に行ったね。でも君は青空をすかして咲く桜を見るより、下に落ちた花びらをいっぱい拾っていたね。
 暑い夏の真っ盛りに水族館へおじいちゃんと行って、水槽のガラス面いっぱいに引っ付いていた大きなエイを不思議そうに見ていた君をはっきりと覚えてるよ。そして帰る途中に雷がゴロゴロと鳴り出し、転がるように家にたどり着いたこと覚えているかな。
 弟が生まれてお見舞いに行った時、居眠りしたおばあちゃんを乗せたままバスが動き出したので、君は大きな声でバスを止めてくれたよね。
 君がお父さんの転勤で九州へ行ってからは、おばあちゃんは君と一緒に行った場所には寂しくて行けなくなったんだよ。
 おばあちゃんは今一番心配していることがあるの!君が優しすぎる子になったのではないかと。そんなことないよね。優しさはそのまま持っているが、きっと強くて男らしい青年になってくれると信じてるよ。今でもしっかりと手をつなぎたいけど……。今度会う時には指切りしようね。