2020年10月24日
会えなかったあなたへ
月の舟さん
 私のおなかの中であなたが妊娠2カ月と判明。「おめでとうございます」と祝福されたと思ったとたん、妊娠3カ月も4カ月も毎日毎日出血が止まらず、私の体力が持たないと言われ、泣く泣く手術をしました。
 それも全身麻酔をするとそのまま母体が帰らない人になるのを恐れ、微量麻酔で行うと決断、くやしくてくやしくてどれだけあなたを待っていたことでしょう。おじいちゃまも、おばあちゃまも。でもあなたは尊い自分の命を捨て私を救ってくれたのです。
 そちらへ行ってしまったあなた。どのようなつぶらな瞳だったのか、どのような小さなもみじのようなお手てだったのか、いつかあなたに会えますか。あなたとわかるようにそちらで曼殊沙華の赤と白の花をたくさん咲かせて待っていてください。私はお花を探しに行きますね。
 私は今、あなただと思って近所の子どもさんに書道を教えています。会えなかった私の尊い小さな命さん、もう少しお仕事をさせて下さい。そしていつの日かお会いできますように、祈っています。