2018年6月23日
栞奈ちゃんへ
さきまつさん
 今回のお便りは、前回に続いて、神奈川県立磯子高校の授業で、将来子どもを授かったことを想定し、生徒が「命」の誕生について書いた「未来への手紙」です。
  ◇  ◇
 あなたが生まれたとき、あなたはママに拘束されるだろう。
 あなたが学童期になるとき、あなたは早起きに拘束されるだろう。
 あなたが思春期のとき、あなたは恋と見栄(みえ)に拘束されるだろう。
 あなたが成人期のとき、プレッシャーに拘束されるだろう。
 あなたが壮年期のとき、喪失感に拘束されるだろう。
 あなたが老年期のとき、あなたは死の恐怖に拘束されるだろう。
 この世界は縛られてばかりなんだ。だからこそ、その波に抗(あらが)って自由に生きてほしいというのが私の望みだ。あなたが自由であるために、私は少しだけ工夫をした。自由のパスポートとして、あなたには中国でも同じ発音の名前にした。私の子だから、中国と関わることは避けられない。日本の名前がどれだけ不便か、私はよく知っているつもりなのだ。だからあなたにはその不便はないようにした。
 私はこれくらいのことしかできない。あなたがどういう風に自由に生きるかは、あなた次第。楽しみにしているよ。あなたの自由人生記を。