2016年6月18日
ありがとう 赤ちゃん
能登のまりちゃん
 夫は現在要介護2の認知症患者で、私の介助があれば生活上、不自由はありません。けれど何事にも興味を示さず、今は晩酌の一合の日本酒にしか関心がないみたいです。
 それがどうしたことでしょう。近所にある大型スーパーで見知らぬ赤ちゃんを見る度に、「かわいいなあー、かわいいなあー」を連発し、にこにこして愛想笑いをします。するとほとんどの若いお父さんやお母さんは喜ばれます。
 そもそも夫は、あまり子どもが好きな方ではありませんでした。私たちには4人の子どもがおりましたが、だれ一人として父親に遊び相手をしてもらったことがないはずです。私もずっと、子育ては自分の仕事だと思っていました。孫が1ダースほどいますが、夫が抱っこするのは写真を撮るときくらいでした。
 そんな夫が、よその赤ちゃんのしぐさがかわいいとじっと見入っているのです。頬をゆるめて。私も夫の側で喜んでよその赤ちゃんをながめていて、飽きることがありません。
 子や孫が幼かった頃、ちっとも相手をしてくれなかった夫でしたが、認知症になって、これから成長する子どもたちと、次第に衰える自分自身を心の中で比べているのかもしれません。それはともかく、私は何にも興味を示さない夫が、うれしそうに赤ちゃんを見入る姿にいつも感動しています。