2014年8月30日
「記念日が誕生日」
来栖早紀さん
 妊娠7カ月のある日、お母さんはおなかが痛くなりました。病院に行くと、あなたはお母さんのおなかの中で元気に育っていました。でも、お母さんのおなかから外の世界へ出ようとしていたのです。
 それからというもの、お母さんはあなたがおなかの中で心地よく暮らせるように、仕事を辞めてお薬を飲みながら寝たきりの生活を送りました。お父さんはお母さんが休めるように、仕事から帰ってくると洗濯をして夕飯も作ってくれました。
 おじいちゃんたちとおばあちゃんたち、伯父さんは、心配して会いに来てくれたり電話をかけてきてくれたりしました。
 そして、みんなが待ちに待った臨月になりました。いつも「まだおなかにいてね」と言っていたけど、初めて「もういつ出てきてもいいよ」と、おなかにいるあなたに言いました。
 2カ月ぶりの外食、お父さんとのデート、買い物、部屋の片付け、ずっと出来なかったことを全てやりきった次の日。予定日より少し早く、お父さんとお母さんが恋人同士になった記念日に、あなたは生まれてきてくれました。
 4年目の記念日が、あなたの誕生日になり、お父さんとお母さんは幸せいっぱいになりました。生まれてきてくれて、みんなに幸せをありがとう。